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弁護士コラム Column

【コラム】きょうだいと遺留分侵害額請求権

2020年11月16日
岐阜大垣事務所 

 当ブログの他の記事をお読みになったという勉強熱心な方であれば,既にご存じのことかとは思いますが,遺留分侵害額請求権は『配偶者』や『子』や『直系尊属』には認められていますが,『兄弟姉妹』には認められていません(民法1042条1項)。つまり,被相続人による遺言が存在する場合には,被相続人の兄弟姉妹から「ちょっと待って!僕ら(私ら)にも財産を分けてよ!」とは言えないことになります。

 遺留分侵害額請求権の趣旨は,平たく言えば「遺言が存在するばかりに,被相続人の財産を受け取ることのできなくなった遺族に対しても『最低限の』取り分を保障し,その生活を保障する点」にあると考えられています。

 例えば,父親が亡くなったケースを想定してみると良いでしょう。この場合,父親の財産を取得できなければ,残された母親や子どもの生活が困ってしまうことはイメージがしやすいかと思います。また,直系尊属が相続人となる場合においては,本来養ってくれるべき子どもを亡くした高齢の父親か母親をイメージしてみると良いと思います。このように,『配偶者』や『子』や『直系尊属』が相続人となる場合には,残された相続人の生活を保障する必要があることが感覚的なところで納得できるのではないでしょうか。

 他方で,兄弟姉妹の一人が亡くなった場合に,その財産を受け取らなければ他のきょうだいの生活が困るということは殆どないように思われます。きょうだい各人が独立して生計を立てていることが多いためです。

 このような理由により,『兄弟姉妹』には遺留分侵害額請求権が認められていないと考えられています。

 ところで,民法877条によれば,配偶者や子,直系尊属と同じように兄弟姉妹についても相互に扶養義務を負っています。ただ,先に述べた通り,兄弟姉妹についてのみは,遺留分侵害額請求権は認められていません。このように,制度を含めて民法全体を俯瞰した場合には,親族同士の中にも保護の程度にグラデーションがあることが分かります。

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